会社に入って間もない新入社員のストレス対策は、人事担当者にとって重要な課題です。
ストレスの原因には、新しい職場環境への適応、業務への不安、コミュニケーションの難しさなどがあります。
これらのストレスを見極めるためには、社員の行動や言動の変化に注意を払うことが必要です。
新入社員がストレスなく成長し、組織に貢献できる環境を提供するにはどうすればいいのでしょうか?
今回は新入社員とストレス管理について書いていきます。
新入社員のストレス
一口にストレスと言っても、いくつかの種類に分類できます。
それぞれ対処法が違うので、まずは原因を突き止める必要があります。
よくありがちな三つの原因をあげます。
分からないことがたくさん
仕事をしていく上で、新入社員は多くの分からないことに直面します。
誰かに聞こうと思っても、忙しい上司や先輩に質問することは大きな勇気が必要です。
特に、関係性がまだできていない最初の段階では、
「無知だと思われないか」
「信用を失ってしまうのではないか」
「迷惑をかけているのではないか」
といった不安を抱えやすいのです。
これらの不安や疑問は、新入社員にとって大きなストレスとなります。
慣れない職場
学生から社会人になるのは、大きな環境変化となります。
慣れない職場での仕事により、ストレスがかかりやすく、疲れを感じることが多いです。
この疲れを癒すためには、仕事後に自宅でリラックスしたり、休日に友人と遊ぶことが効果的です。
しかし、就職による一人暮らしや、親しい人や支えとなる人とのすれ違いから、孤独感や寂しさを感じることがあります。
リフレッシュの機会を失い、ストレスを溜め込む原因になることもあるのです。
職場との人間関係
新入社員は職場での人間関係を作っていくことに苦労します。
特に入社始めでは、上司や先輩に話しかけることを躊躇してしまうことが多いでしょう。
さらに、リモートワークが増えた現在では対面でのコミュニケーションが少ないので、さらに人間関係構築が難しくなります。
厚生労働省の調査によると、新卒入社から3年以内に退職した人の退職理由の上位が人間関係となっています。
これは、職場の人間関係が新入社員にとって大きなストレスの原因であることを示しています。
このようなストレスにさらされた新入社員は、どのような状態になるのでしょうか?
新入社員のストレスによる影響
睡眠不足・食欲減退
メンタルヘルスの不調がある場合、食欲不振や睡眠不足が典型的な症状として現れることがあります。
健康な心身を保つためには、適切な食事と十分な睡眠が欠かせません。
しかし、メンタルヘルスが不調に陥るとこれらが十分に摂れなくなり、疲労が蓄積し、身体的および精神的な不調が深刻化する恐れがあります。
元気がない・疲労感がある
入社時には活気に満ちていた新入社員が、時間が経つにつれて元気がなくなり、疲労感を見せるようになることがあります。
これはストレスが蓄積している初期段階のサインです。
新入社員は様々な要因でストレスを感じやすいため、ある程度の疲労は避けられないものです。
しかし、この疲労に対して適切な対処が行われない場合、回復に必要な時間が延長し、最終的には心身の不調を引き起こす可能性があります。
遅刻・欠勤が増える
継続的な疲労と睡眠不足は日常生活に影響を与え、特に新入社員にとっては遅刻や欠勤が増える一因となります。
ストレスによる睡眠不足は、朝の起床が困難になり、これが遅刻や欠勤の増加につながることがあります。
このような状況は、メンタルヘルス不調の兆候として捉えることが重要です。
新入社員のメンタルヘルスケア
ストレスによる不調から、新入社員を守るためにはどうすればいいのでしょうか?
病院にかかる前に、起業できるメンタルヘルスケアをまとめました。
ストレスチェックを実施する
ストレスチェックの実施は、新入社員にとっても企業にとっても有益です。
このチェックを通じて、受検者は自分自身のストレス状況を理解し、それに基づいたセルフケアを行うことができます。
一方で、企業は組織全体のストレス状況を把握し、それに対応した職場環境の改善を行うことが可能になります。
新入社員だけでなく、全社員がストレスチェックの対象となるため、企業全体のメンタルヘルス対策に貢献します。
全周囲からより働きやすい環境を作り上げることができるのです。
相談窓口を設ける
相談窓口の設置は、新入社員がストレスに対処するための重要な支援策です。
自分一人で解決するのが難しい場合、周囲の人へ相談することはストレス軽減に効果的です。
しかし、新入社員には相談相手が見つからない、業務内容がストレスの原因であるなど、相談しづらい状況が存在します。
そのため、社内だけでなく社外にも専門知識を持った相談窓口を設けることが推奨されます。
これにより、新入社員はより安心して自身の問題を相談でき、ストレス管理に役立てることが可能になります。
ストレスマネジメント研修を行う
新入社員が自身のストレスに効果的に対処するための基礎知識を身につけるために、ストレスマネジメント研修を行います。
セルフケア、レジリエンス、アンガーマネジメントなどの研修を通じて、ストレスを感じた時に自分で対処する方法を学びます。
特にセルフケアの研修では、疲労回復に役立つ食事や質の良い睡眠についての具体的な知識を提供することが重要です。
これにより、新入社員は日常生活の中で実践可能なセルフケアの方法を習得し、ストレス対処能力を高めることができます。
新入社員との接し方
仕事に慣れていない新入社員のメンタル不調をなくすためには、以下の方法がかんがえられます。
叱責・抑圧・否定をしない
新入社員に対する叱責や抑圧、否定は、メンタルヘルス不調の大きな要因となり得ます。
現代の新入社員は学校教育においても大声で叱責されることが少なく、怒られる経験に慣れていないことが多いです。
このため、叱責することで伝えたい内容が十分に伝わらず、ただ精神的なダメージを受ける結果となることがあります。
今の時代や人材に合ったコミュニケーション方法を考慮することが重要です。
また、「なぜ?」という問いかけも、相手に否定的な印象や精神的圧力を与える可能性があります。
自分が相手に圧力を与えていないか、また相手が圧力を感じていないかを慎重に考慮する必要があります。
これは、特にメンタルヘルスを考慮した職場環境の構築において重要な側面です。
コミュニケーションを積み重ねる
新入社員は入社時に大きな不安を抱えています。
普段からの密なコミュニケーションを通じて、これらの不安を軽減することが可能です。
挨拶や軽い雑談など、日常的なコミュニケーションは、難しく考える必要はなく、信頼関係の構築に大きく貢献します。
このようなコミュニケーションの積み重ねが、相談へのハードルを下げ、新入社員が変化を感じたときに気軽に声をかけられる環境を作ります。
しかし、相手が嫌がるコミュニケーションは避ける必要があります。
急に飲みに誘う、毎日ランチに誘う、求められていないのに仕事中に長々とアドバイスするなどの行為は、かえって信頼関係を破壊することがあります。
コミュニケーションは段階的に深めていくことが大切で、挨拶や軽い雑談から始めるのが良いでしょう。
異動も考慮する
新入社員のメンタルヘルスに対する注意があっても、仕事内容や職場環境が原因で避けられないメンタル不調が生じることがあります。
仕事が本人に合っていない、または特定の同僚や上司との関係に問題がある場合、部署異動を検討することが適切な対応策となり得ます。
新入社員はまだ経験が浅く、「この程度の困難は当たり前だ」と我慢する傾向がありますが、行き過ぎた我慢は逆にメンタルヘルスを損なう可能性があります。
そのため、上司や管理職は社員の状態を正確に把握し、必要ならば部署異動を含む対策を検討する必要があります。
これにより、社員のメンタルヘルスを保護し、長期的な職場貢献を促進することができます。
まとめ
少子高齢化が進む日本において、若手社員は会社を支える貴重な存在です。
健康で活力ある職場環境を維持するためには、メンタルヘルス対策の重要性は計り知れません。
この記事で紹介された方法を参考に、各企業が実情に合ったメンタルヘルス対策を実施することが、若手社員の健康と活力の維持につながり、結果として企業全体の発展に寄与します。
以下も参考になると思います。
https://freeq.work/tips/success-young-point/
https://freeq.work/tips/human-resources-motivation/
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