フリーターから正社員への就職に、不安を感じる方も多いでしょう。
企業が新卒を優先し、フリーターの自己PRの不足や早期離職への懸念から難しいとされているからです。
今回は、フリーターからの就職が難しい理由や就職のための方法、就職支援サービスをご紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。
フリーターから就職の壁
フリーターから正社員になるのは難しいとされる主な理由は、企業が新卒者を優先するためです。
新卒者は、学習能力が高く、会社のやり方に柔軟に適応しやすいと考えられ、新卒一括採用は教育効率も高いため好まれます。
対照的に、フリーターは年齢が若ければ採用されることもありますが、年齢が上がると勤務期間が短くなり不利になります。
また、フリーター経験が正社員としての働きぶりに対する不安を企業に与えることもあります。
さらに詳しく見ていきましょう。
自己PRが難しい
フリーターの就職や転職では、自己PRが難しい点があります。
学歴や職歴を元に自己PRが行われますが、フリーターは企業によっては「空白の期間」と見なされることがあるためです。
もしもフリーター期間中に資格取得や目標達成のための活動をしていれば、それをアピール材料にすることができます。
しかし、特に何もしていなかった場合、アピールできる内容が不足しがちです。
正社員経験がなかったことを問題視される
正社員経験がないフリーターは、就職や転職で不利になることがあります。
正社員になった経験がないと、「何か問題があって正社員になれなかったのでは?」と疑念を持たれるケースが存在します。
特に新卒者が就職市場で有利であることを考えると、その時期に就職できなかったことについて、企業側は「どうしてだろう?」と不安を抱くことがあります。
諦め癖があると思われる
フリーターが就職に苦戦する理由として、企業が「目標達成への意欲の低さ」や「打たれ弱さ」を懸念することがあります。
正社員経験がないことから、逃げ出す傾向があると見なされる可能性も指摘されています。
フリーターと正社員の違いとは?
フリーターと正社員の違いとはなんでしょうか?詳しく見ていきましょう。
収入、待遇面の違い
正社員とフリーターの待遇の違いには、
- 健康保険
- 厚生年金などの社会保険
- 資格取得支援
- 住宅手当
などがあり、正社員は手厚い保障を受けることができます。
また、雇用の安定性にも差があり、正社員は法律で保護されているのに対し、フリーターは契約更新の保証がなく不安定です。
体力の衰えや病気で仕事を休む場合、正社員は休職が可能ですが、フリーターは収入減や失職のリスクがあります。
社会的信用の違い
フリーターは正社員に比べ収入が低く不安定で、雇用も不安定なため、社会的信用度が低くなりがちです。
その結果、結婚や子育てなどのライフイベントにおいて、住宅や車の購入時に必要なローンの審査を受ける際、フリーターは審査が通りにくい可能性が高くなります。
キャリアの違い
フリーターは正社員と比較してキャリアアップが難しいです。
その理由は、フリーターが一時的な労働者と見なされ、責任のある仕事や成長の機会が限られるためです。
また、正社員は長期的な成長のための研修を受けることができますが、フリーターにはこのような研修の機会が少なく、スキルアップが困難になることがあります。
年齢を重ねると就職が困難
年齢が上がるにつれて、フリーターから正社員への転職が難しくなります。
これは、年齢を重ねることで、企業が年上の部下を持つことに抵抗を感じ、仕事を頼みにくくなるためです。
年齢が高いほど、結婚や子育てなどで出費が増えるため、企業は年齢に応じた報酬を支払わなければならず、即戦力としての期待も高まるため、採用のハードルが上がります。
フリーターから就職する利点
フリーターから正社員になる難しさを解説してきました。
しかしながら、その困難を乗り越えるほどのメリットが就職することにあります。
メリットを見ていきましょう。
収入が上がる
正社員はフリーターよりも給与が高く、経済的自立が容易になります。
年齢が上がるにつれて、正社員とフリーターの年収の差は拡大し、生涯年収では約1億円の差が生まれることもあるとされています。
正社員とフリーターの年収差は、年齢が上がるにつれて大きくなります。
就業時点で約100万円以上、20代後半では150~200万円、30代で200~360万円、40代では300~450万円の差が生じます。
特に大卒の場合、この年収差は更に激しい傾向にあります。
フリーターから正社員への移行は、早ければ早いほど収入面でのメリットが大きいことを示しています。
雇用の安定性
フリーターは正社員に比べ仕事を失うリスクが高いです。
フリーターは有期雇用であり、社会情勢や会社の経営状態、本人の勤務態度などにより契約が更新されない可能性があるためです。
対照的に、正社員は無期雇用で、定年まで解雇されにくい立場にあります。
非常事態では、この雇用の安定性の違いが顕著になります。
不確実な状況に備えより安定した雇用環境を選ぶことが推奨されます。
キャリアアップが狙える
フリーターは業務範囲が制限され、スキルアップが難しいことがあります。
昇進・昇給制度の対象外であるため、キャリアアップも困難です。
転職市場でも評価が低くなる傾向にあります。
これらの理由から、スキル向上やキャリアアップを目指す場合、正社員への転職が望ましいとされています。
社会的信用を得ることができる
フリーターから正社員になることで、社会的信用を得られます。
フリーターは不安定な職業と見なされがちで、ローンの審査など経済面での困難が多いです。
フリーランスの台頭により、フリーターに対するイメージは若干改善していますが、とはいえ社会的な世間体の面で悪影響を受けることもあります。
正社員に比べ、フリーターは「自由人で責任のある仕事をしていない」というイメージがつきやすいです。
マンションを借りる際も経済的・イメージ的な理由で保証人が必要になることがあります。
将来設計が立てやすい
フリーターから正社員になることで、結婚、子育て、住宅購入などの将来設計がしやすくなります。
フリーターの職業は不安定で、安定した収入や社会的信用が乏しく、銀行からの借入が困難になることが理由です。
結婚においても、両者が納得していてもフリーターの世間体から家族に歓迎されないケースがあります。
したがって、将来的な計画を立てる上で、正社員への転職が望ましいとされています。
このようなメリットを享受するために、フリーターから就職する方法を見ていきましょう。
フリーターから就職する方法
フリーターから就職する方法は大きく分けて5つあります。
通常、フリーターの就職活動には約3~6ヶ月かかることが多いため、入社したい時期から逆算して計画を立て、実行に移すことが重要です。
1:自己分析をおこなう
自己分析は、自分自身を深く理解する作業です。
これまでの経験や感じたことを振り返りながら、自分の特性や価値観を明確にします。
目的は、「自分の強み・弱み」「将来の目標」「理想の人生像」などを理解し、キャリア選択のための情報を集めることです。
自己分析が初めての場合、以下のような質問から答えを書き出して始めるのがおすすめです。
- 過去の経験で成功したと感じることは何か?
- どのような状況で最もやる気が出るか?
- 自分は他人とどのように異なると感じるか?
- これまでに直面した困難や失敗から何を学んだか?
- 将来達成したい目標や夢は何か?
これらの質問に答えることで、自己理解を深め、就職活動に役立つ自分の特性や方向性を明らかにすることができます。
2:応募書類を作成する
自己分析が完了したら、履歴書や職務経歴書などの応募書類作成に進みます。
正社員への応募では、アルバイト応募の際とは異なる内容が求められます。
特に職務経歴書は、アルバイト応募では不要なことが多いですが、正社員応募では必要になります。
各書類の書き方を確認し、書類選考を通過するための質の高い応募書類を作成しましょう。
自己PRや志望動機は、応募先企業が決まってから個別に作成するのが良いでしょう。
インターネットで見つけたテンプレートに頼りすぎず、ステップ1で行った自己分析の内容や個人的なエピソードを取り入れ、「自分自身の言葉」で記入することが大切です。
応募書類は内容だけでなく、書類の扱い方も評価の対象です。汚れや折れ、誤字・脱字がないか、丁寧な文字で書かれているかなど、細部にも注意してください。
3:情報収集・求人を探す
自己分析の結果を踏まえ、目指す業界や企業の情報収集と求人探しに取り掛かります。
自分がどの業界で、どのような仕事をしたいかを明確にし、そのための情報収集を行います。
業界や職種の特徴、将来性、必要なスキルなどを調査し、ノートやメモにまとめることが効果的です。
具体的な求人情報については、関心のある企業の公式サイトを直接確認するか、就職サイトや求人サイトを利用して探します。
各サイトには多様な求人が掲載されており、自分に合った職種や条件を見つけることが可能です。
この段階では、広く情報を収集し、適切な求人を見極めることが重要です。
4:応募・面接をする
希望や適性に合う求人が見つかったら、迷わず応募しましょう。
応募時には、気になる企業についての研究を行い、自己PRや志望動機を企業ごとにカスタマイズして作成します。
面接では、「フリーター経験」や「正社員を目指す理由」について尋ねられることが多いので、これらの質問に対する回答を事前に準備しておくことが重要です。
面接では回答内容だけでなく、身だしなみやマナーも評価の対象となります。
スーツ着用を基本とし、礼儀正しい挨拶や立ち居振る舞いに注意しましょう。
面接での印象は、受け答えの内容だけでなく、全体的な振る舞いで判断されます。
5:内定を受ける
企業から内定を受けた場合、承諾するかどうかを慎重に検討し、決定したら早めに返答します。
労働契約を結ぶ際には、勤務条件や給与、休日などが記載された契約書の内容を確認し、納得した上でサインします。
出社日程を決める際には、現在のアルバイトの状況も考慮する必要があります。
アルバイトを続けている場合、引き継ぎやシフト調整などを行い、円滑に退職できるよう配慮しましょう。
事前にアルバイト先に就活の状況を伝えておくと、スムーズな退職が可能です。
アルバイトの退職が済んだら、入社日までの準備期間として利用します。
スーツや靴などの服装の準備、仕事に関する事前学習など、新たな職場でのスタートに向けて準備を整えましょう。
一通りの流れはこのようになります。
良い仕事先に出会えるように、就職支援してくれるサービスを紹介します。
就職するためのおすすめサービス
ハローワーク
ハローワークは地元密着型の就職支援で、豊富な求人数が利点です。
さらに、資格取得や職業訓練など無料のサポートも提供しています。
活用することで、就職活動に役立つ情報やサポートを受けることができます。
しかし、ハローワークのサービスは求人企業にも無料で提供されているため、資金力の限られた企業や、労働環境が悪いブラック企業の求人が含まれる可能性もあります。
そのためハローワークで見つけた求人情報に加え、インターネットで企業の評判や口コミを調べることも重要です。
これにより、より安心して応募できる企業を選ぶことが可能になります。
就職サイト
インターネット環境があれば、就職サイトを利用して自分で求人を探すことが可能です。
就職サイトでの求人検索では、ターゲットを絞ることが重要です。
例えば「未経験者歓迎」「既卒」「学歴不問」などのキーワードを用いて、自分に合った求人を見つけましょう。
自分の可能性があると思われる企業に応募することで、採用される確率を高めることができます。
ただし、就職サイトを利用する場合、履歴書の作成や面接の準備など、ほとんどの活動を一人で行う必要があります。
そのため、自信があるか、ある程度の就活経験がある人に適しています。
無料求人サイトFreeQ(フリーク)も皆さんの就職をサポートできますので、ぜひご覧ください。
就職支援サービス
就職活動における重要な手段として、就職エージェントの利用がおすすめです。
就職エージェントは、求職者のニーズに合わせたサポートや代行を行い、「何から始めればいいか分からない」という方に特に有用です。
このような就職エージェントは、就職活動のプロセスを効率的かつ効果的に進めるのに役立ち、特に就職活動に不慣れな方や具体的な方向性が定まっていない方に有益です。
正社員登用制度
正社員への採用が難しそうな場合、正社員登用制度を利用することをおすすめします。
「正社員登用制度」とは、非正規雇用者を正社員に昇格させる制度です。
この制度はすべての企業にあるわけではなく、登用の基準も企業によって異なります。
正社員登用制度を利用する際は、まず求人に「正社員登用制度あり」と記載されているかを確認します。
もし記載がない場合は、面接等で担当者に制度の有無を問い合わせましょう。
登用制度がある場合は、以下の点も確認しておくと、入社後の手続きがスムーズに進められます。
- 登用までの期間や条件
- 評価基準やプロセス
- 登用後の待遇変更に関する詳細
これらを事前に理解しておくことで、非正規から正社員への移行を効率的に進めることができます。
就職を成功させるコツ
自分を見つめ直し、現状を理解し会社選定をしっかりと行うことで就職活動の成功率が上がります。
未経験OKの求人を選ぶ
- 未経験者を育てる準備が整った求人は、経験がなくても安心して働ける。
紹介予定派遣や正社員登用制度のある求人を検討する
- これらは非正規から正社員への登用の道を提供します。
経歴に自信がない場合は資格を取得
- 特定の職種に合った資格を取得することで、就職活動において有利になる。
若いうちに就職活動を開始する
- 年齢が若いほど、ポテンシャルで評価されやすくなります。
身の丈に合った求人を選ぶ
- 自分の能力や条件に合った企業を選ぶことで、採用されやすくなる。
身だしなみと礼儀作法の徹底
- ビジネスマナーは面接での大きなアピールポイントになり得ます。
情報収集と事前準備を徹底する
- 企業や業界についての研究をすることで、面接での自己PRや熱意を伝えやすくなります。
これらのアプローチを通じて、就職活動の成功率を高めることができます。
まとめ
フリーターから正社員への転職は確かに挑戦的な道のりかもしれませんが、それには明確な利点があります。
正社員として働くことにより、待遇やキャリアの安定性が大幅に向上します。
最も重要なのは、決して諦めないことです。
チャレンジし続けることで、望むキャリアへの扉を開くことができるでしょう。
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