会社案内は、相手に企業の概要から事業内容、そして募集要項までを伝える非常に重要な資料です。
これはまさに企業の名刺であり、効果的な作成にはいくつかの要点があります。
自社の魅力を的確に伝えるためには、基礎知識の整理から制作の流れ、ポイントまでをみていきましょう。
会社案内とは?
企業が外部の関係者に対して、自社の概要や事業内容、経営理念、組織構造、実績などを分かりやすく紹介するための資料や冊子です。
この文書は企業のプロフィールや特徴を広く知ってもらうために使用され、ビジネス環境での信頼性や魅力を高めるのに役立ちます。
限られたページ内で端的かつ分かりやすく表現し、会社の価値や魅力を引き立てることが重要です。
会社案内の目的・特徴
目的
1・営業
- 自社の信頼性や魅力を伝え、商品やサービス情報を提供する。
- 知名度低い場合は実績や特長を強調し、信頼感をアピールする。
2・広報
- 企業の認知度向上を図り、事業の強みを広くアピールする。
- 汎用性を考慮し、専門用語を最小限に抑え、わかりやすく作成する。
3・採用
- 採用ブランディングを重視し、求職者に事業内容だけでなく働く魅力も伝える。
- 入社後のイメージを具体的に提示するために社内の様子や社員紹介を掲載。
特徴
1・営業
- 商品情報との組み合わせで使用され、信頼性の向上を図る。
- 情報の新鮮さに注意し、特に自社の強みを強調。
2・広報
- 企業の中核強みを明示し、広く印象付ける。
- 汎用性を重視し、読み手の広さを考慮した表現を採用。
3・採用
- 採用ブランディングが中心で、働く魅力を伝える。
- 入社後のイメージ形成に焦点を当て、具体的な社内の様子を掲載。
案内作成の流れ
以上の流れで進んでいきます。細かく見ていきましょう。
企画・立案
企画・立案は会社案内の骨子を決定する重要なフェーズです。
目的をはっきりと定め、自社の強みや特徴を強調する主軸を設定します。
アイデアから具体的なコンテンツを選定し、レイアウトやデザインの方向性を検討します。
視覚的な要素や素材もこの段階で考慮し、一貫性を保ちながら企業イメージを表現します。
予算やスケジュールも確認し、制作のコストと時間を見積もります。これにより、スムーズで効果的な制作プロセスが可能となります。
企画段階でしっかりと計画を練り、目的に向けたクリエイティブで魅力的な会社案内を実現しましょう。
原稿作成
原稿作成においては、社内外の関係者に依頼し、必要に応じて取材や座談会をセッティングします。
写真やイラストが必要な場合は、専門家に依頼することも考慮されます。
取材原稿の書き起こしや依頼原稿の回収、完成原稿と素材の整理もこの段階で行います。
制作会社が関与する場合、取材から原稿作成までのサービス範囲を確認することも重要です。
デザイン作成
整理した原稿を制作会社に引き渡し、初校を依頼します。
初校が戻ってきたら、全ページに誤字や脱字、記入漏れがないかを校正します。
特に個人名や商品名、連絡先の情報には注意し、誤りがないか確認します。
紙媒体では製本後の修正が難しいため、再校を繰り返し、直し漏れがないよう慎重に確認します。
印刷・製本
校正が完了したら、データを印刷所に入稿します。
印刷の前に色味を確認し、色校正を行います。
印刷が完了したら、製本を行い、最終的な成果物が納品されると作業は完了します。
作成においての重点
会社案内の作成において、重要な事柄をまとめました。
目的を決める
会社案内の作成目的は多岐にわたります。目的によって掲載内容が異なるため、はっきりさせることが重要です。
具体的な情報やアクションを読み手に提供するために、「いつ、どこで、誰に」渡すかを明確にし、読み手の期待に応える情報が掲載されているか確認します。
目的を制作関係者に共有し、一致した理解を確認することも重要です。
内容を決める
会社案内のコンテンツ検討において、目的やターゲットの必要な情報を考慮し、以下の項目を精査します。
1・会社概要
- 設立年月日、所在地、資本金、社員数など基本情報を見やすく掲載。
2・企業理念
- 企業が目指す姿を言葉で表現し、画像や図表を活用して理解を深める。
3・沿革
- 会社の歴史や重要な出来事を時系列で掲載。歴史が浅い場合は無理に掲載せず。
4・代表挨拶やメッセージ
- 代表者のビジョンや方向性を伝える。企業理念との重複に注意。
5・サービス紹介
- 業務内容や取り扱うサービスを写真や事例を交えて分かりやすく紹介。
6・入社案内
- 求職者向けに入社に関する情報を詳細に掲載。エントリー方法や選考の流れ、連絡先を記載。
7・社員のエピソードやプロフィール
- 入社後のイメージを具体的にするために、社員の声やエピソードを簡潔に掲載。
これらの要素を限られたページ内で表現するので、あまり情報を欲張りすぎず、読み手に分かりやすく魅力的な情報を提供することが求められます。
仕様を決める
会社案内の仕様は、伝えたい情報や相手によって異なります。相手に合わせ、適切な仕様を決めましょう。
1・中綴じ
- 冊子形式で、A4サイズが一般的。
- ページ数は8、12、16ページなど4の倍数。
- 写真や文章を見やすく、手軽に持ち運び可能。
2・折り加工
- 二つ折り、三つ折り、四つ折りなどさまざま。
- 簡潔なパンフレットとして使いやすい。
- 重要商談などで使用時は内容に制約があるため注意。
3・ポケットファイル
- パンフレットにポケットを追加。
- 追加資料の収納が可能で便利。
- 掲載内容変更時にもポケットに訂正を挟みやすい。
どの仕様を選ぶかは、伝えたい情報や使用場面によります。
中綴じは詳細な情報を伝える際に適しており、折り加工は簡潔な情報を効果的に伝える際に利用されます。
ポケットファイルは追加資料や変更が頻繁な場合に便利です。配布相手や目的に合わせて工夫しましょう。
デザインを決める
会社案内のデザインは目的に合わせて考える必要があります。顧客への配布が主な場合は信頼感や安心感を与えるデザインが重要です。
○表紙の重要性
- 表紙は手に取った人が中身を見たいと思うかを左右する。
- 会社の魅力や製品の写真、ロゴ、コンセプトを用いて魅力的に作成する。
○ブランドカラーの活用
- 企業のブランドカラーやイメージカラーを基調としたデザインが一般的。
- カラーがない場合は、青や緑など安心感を与える色を選択すると良い。
デザインは印象を左右し、会社のイメージを形成します。目的や配布相手を考慮し、信頼感や安心感を与えるデザインを心掛けましょう。
最後に
会社案内を作成する際は、目的の明確化が重要です。
目的が不明確なまま作成すると、読み手に印象を残す効果が得られません。
具体的に「どんな場面で使用するのか」「相手にどのような印象を与えたいのか」を明確にし、それに基づいて情報やデザインを検討しましょう。
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